おた☆スケたん4号の「安彦良和原画展~「勇者ライディーン」から「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」へ」レポート

安彦良和講演会を聴いてインタビューしてサインまで貰ってきたぞ!

川崎市市民ミュージアムで6月16日~8月19日にかけて開催中の安彦良和原画展。
その期間中、8月4日に行われた安彦良和講演会に行ってきたぞ!

講演会の取材はもちろん、安彦良和氏へ直接インタビューすることもできたので、講演会の様子と合わせてご紹介しよう。

●幅広い年代のファンが講演会のために集まっていた

安彦良和講演会が行われたのは、原画展が行われている川崎市市民ミュージアム企画展示室2の前にあるロビーに当たる場所で、逍遥展示空間という名の吹き抜けになった広大な空間だ。コンサートなどのイベントも行われるこの場所に、講演会を聞くために多くのファンが集まっていた。

参加定員は250名で整理券が配られていたが、予定枚数を配布し終えてもまだ傍聴希望のファンがおり、立ち見での参加も多数見られる盛況ぶり。

ファンは老若男女に渡って幅広く訪れており、安彦氏が活動してきた歴史の長さを感じさせた。
中には1歳に満たない子供を連れた夫婦もいたが、この子もまた安彦良和作品に触れて成長していくのだろうか…。

▲講演会参加者のために整理券が配られていたが、用意された分はすべてなくなり、立ち見している人も出るほどの盛況ぶりだった


●「天才」をテーマにした講演会は予定時間を超過する熱の入りよう

今回の講演会では急遽、白泉社で月刊誌「メロディ」を担当している編集者の飯田氏を特別ゲストとして迎え、半トーク形式で行われた。 講演会のテーマとして「天才」というキーワードを据え、さまざまな天才たちを紹介しつつ自身の話へとつながっていく。 「虫プロにいたころ、天才と呼ばれたことがあったような気もしますが」などと謙虚に話してファンの笑いを誘うなど、会場内は終始和やかな雰囲気だった。

27歳の若さでこの世を去った歌人、石川啄木や「女」の彫刻で知られる彫刻家、萩原守衛などをある種の「天才」として取り上げつつ、「自分は天才だと思っている若者が多い。それも大事なことですが、多面的な視野を持ってほしい」と述べた。
また、現在教授を務める神戸芸術工科大学メディア表現学科の生徒たちの中でも、「全くノーマークだった生徒がハッとするような作品を作り上げることがある」と、「天才」とか「才能がある」というものを定義するのは非常に難しいのだと話す。

「天才」というものについてのひとつの判断材料として、他者が見えているかどうかが重要なのだという。現在ウルトラジャンプで「皇国の守護者」を連載中の伊藤悠氏との対談に絡めて、「彼の描くキャラクターは生きている。他者を理解し、他者が見えているのでなければああは描けない」と話し、天才の一人として数え上げていた。
飯田氏も「漫画は人を描くもの。描きたい人間観があるなぁ、と感じる人は確かにいる」と話していた。


「天才」だけでなく、「オタク」に関しても他者が見えていることは大事なことだとも話していた。いわゆる「空気が読める」ということだと思うが、「どんなオタクであれ他者が見えていればいい。年齢に関係なく、精神が成熟していれば何も問題はない」という。

オタクという存在や文化に関しても、「そういった現象が出始めた頃はどうしたものかと心配したが、20年経った今ではそう心配したものでもなかったなぁと考えるようになった。江戸時代にも『歌舞伎に入れあげる若旦那』というような形でオタクは存在していた」とのことだ。


●質問タイムでも興味深い会話が続く

講演開始から1時間が過ぎたところで、ファンからの質問を受け付ける質問タイムへ。長年のファンたちからはかなり熱のこもった質問が多く、興味深い話を多数聞くことができた。時間の都合で3人からの質問しか受け付けられなかったのが残念だ。

Q:アニメーションの世界から漫画の世界へ移ったいきさつは?

A:才能が理由。自分では自分のことを天才とは思わず、生活していくために漫画の世界を選びました。アニメーションに関しては虫プロにはライバルが、うまい人が多すぎた(笑)。アニメの世界は宮崎駿や押井守たちが切り開くだろうと考えました。
また、ユーゴの内戦を受けて「オリンピックが開催されるような国で未だに内戦が起きるのか!」とショックを受け、フィクションを超えるような現実をテーマに作品作りを考えるようになりました。


Q:私も漫画家の端くれなんですが、先生みたいに偉くなっても楽しく仕事ができるでしょうか?

A:楽しくやれる仕事と楽しくやれない仕事があります(笑)。でも楽しくやれない仕事がその後の糧になることもある。そのままお続けになれば分かると思いますよ。


Q:今回の原画展の中で一番のオススメは?

A:オススメと言えるかどうか分からないが、劇場版ガンダムの「戦場へ…」というイラストは珍しく自分から押しかけで描いたもの。原画展の展示物は仕事がらみで描いたものだからアートではないけれど、思い入れがあるものは多いです。


●直接インタビューして聞きたいこと聞いちゃいました!

なんと今回は安彦良和先生に直接インタビューすることができた。
子供の頃に見ていた作品に関わってきた人物なので非常に緊張したけれど、とても気さくでやわらかい雰囲気を持ったお方でした。

おた☆スケ(以下お):まずは今回の原画展について。特に思い入れのある作品や、ぜひ見てほしいという作品はありますか?

安彦良和(以下安):今回の原画展には漫画の下書きや生原稿が展示してあるので、それらを見ていただければと思います。「こんなに雑な書き方でもいいんだ!」と思ってもらえれば(笑)。

お:コスプレという文化が出始めた頃にコスプレを意識したキャラクターデザインをしたそうですが?

安:コスプレを意識したのはガンダムのコスチュームくらいです。制服やブーツ、タイツなど、ありものを組み合わせるだけで形になるように。
興味を持つきっかけになってくれればと思って種を蒔いてみました(笑)。今は作りやすいコスチュームでなくてもやりたい人はやりますからね。ガンダム以降はコスプレを意識したデザインは考えていないです。


お:先生ご自身について、最近何か興味を持っているものなどはありますか?

安:私は趣味を仕事にしたようなものなので、ほかに趣味と呼べるようなものは特にありません。(趣味が仕事というのは)幸せなことなんだけれどもね(笑)。

お:ということは原画展は趣味の集大成のようなものでしょうか?

安:いや、あれは趣味ではなく仕事の集大成のようなものです。
今までに仕事としてやってきたものを片っ端から集めて持ってきたものですね。


お:漫画家やアニメーターを目指している人にぜひアドバイスをお願いします。

安:漫画家というのは引きこもっていてもできるものなのでそれでもいいですが、描いたものを見てもらう人を持った方がいい。
見せることによって傷付くこともあると思うけれど、1人でやっているとどうしても極端にこう(両手で視界を狭めるようなジェスチャー)なって極端に集中してしまう。
仕事を目指す場合でも、趣味で作るにしても、視野を広げた方がいいと思います。

アニメーターは(漫画家とは違って)仕事としてということになるので、今は「大変な仕事だ」とか「給料が安い」とかいろいろと言われて引いてしまう若い人が多いようですが、ぜひ頑張ってやってほしいと思います。
やりたくない仕事が回ってきたとしても、それはきっとこの先の糧になると思いますから。

お:どうもありがとうございました。


●ポストカードに書いてもらったサインをプレゼント!

インタビューの後には読者プレゼント用ということでサインを貰うことができた。原画展でも販売されている8枚組みのポストカードすべてにサインしていただいたので、これらのサイン入りポストカードを1枚ずつ、8名様にプレゼントするぞ!
ポストカードのプレゼントは現在8月15日まで受付中のフィギュアプレゼント終了後を予定しているので、受付の開始をしばらくお待ちいただきたい。

▲ポストカードにサインする安彦良和先生。この手が数多くの作品を生み出してきたのかと思い、見入ってしまった


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