桜ふみの「here I am」レビュー

すべてがベスト! 今回もベスト! 美郷あき「here I am」

今回紹介させていただくのは東海ラジオほかで放送中「サンライズラヂオEX。」のパーソナリティーも好評の美郷あきさんのニューアルバム「here I am」です。


美郷あきさんといえば、TVアニメ「舞-HiME」のエンディングテーマ「君が空だった」で2004年11月26日にデビューして以来アニメソングを歌い続けていらっしゃる、現在のアニメソング界において欠かせない女性ボーカリストの1人として広く認知されている歌い手さん。


その独特な歌声は、TVアニメ「ガンパレード・オーケストラ」エンディングテーマ「ふたりが忘れない」や、TVアニメ「スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ」エンディングテーマ「もう愛しかいらない」など、まさに番組のエンディングを飾るに相応しい、優しく、切なく響く力を持っていらっしゃいます。


そして今作の帯には「美郷あき 3rd ベストアルバム」と書かれておりまして、トラックリスト的にはベストと称して過言ではない名曲が詰まっています。1枚目が2006年11月22日リリースの「Sincerely」、2枚目が2007年8月8日リリースの「feel it」、そして今回が2008年9月10日と、約1年おきにアルバムをリリースされていらっしゃいますが、そのどれもがベストアルバムと呼べるアルバムであるのがとてもすばらしいことだと思います。


「すべてがベスト、今回もベスト」。そんな美郷あきさんの渾身の一作を、またいつものように各曲ごとに紹介していきましょう。



●私がここに立つことに、必ず意味があるのだろう。

まず1曲目はTVアニメ「ストロベリー・パニック」オープニングテーマ「少女迷路でつかまえて」。


今回はファーストアルバムに「少女迷路でつかまえて(berry's maturing ver)」という別バージョンで収録されているこの曲のシングルバージョンをアルバムに初収録。“ストパニ”というお約束百合アニメのオープニングに相応しい楽曲として、作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:齋藤真也さん、ある意味A-POP最強コンビであるこのお二方の手によって制作された、ハードでかつシャイニーな楽曲は、まだ3年しか経過していない曲でありながら、どこか懐かしい、約束原点的な曲です。


2曲目はTVアニメ「げんしけん2」オープニングテーマ「disarm dreamer」。


正直、この作品のオープニングアニメーションの力の入れようが、げんしけんファン層およびこの時間帯のアニメを見るユーザー層にどう受け入れられたのか、若干空回り気味だったんじゃないかと感じていたのですが、それは曲とはまったく関係ない話。作詞:畑亜貴さん、作曲:黒須克彦さん、編曲:宅見将典さんの手による、さすが黒須さんですね、と思えるすばらしい旋律。燃えます。宅見さんのストリングスアレンジとそれを支える大先生室屋ストリングスさんの演奏も激しく燃えます。


3曲目は後出の「BLOOD QUEEN」のカップリングだった「忘却バタフライ」。


作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:黒須克彦さんの手によるアコースティックでほのぼのとした雰囲気がとても心地よい曲です。標本の蝶の刹那さを美郷あきさんの切ない声に乗せてポップに作り上げた、そんなさりげない名曲だと思います。


4曲目はTVアニメ「ブラスレイター」エンディングテーマ「sad rain」のアルバムバージョンです。


作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:飯塚昌明さんの手による激しい本編からのクールダウン曲として、XAT隊員の日常をそれとなく見せつつ、XAT基地の美しいステンドグラスの美しさを巧みに魅せたコンテがすばらしかったエンディングテーマのアルバムバージョンとして、バンドアレンジに定評のあるlittlelittleさんの手によってクレジットからは想像のつきにくい、非常に深みの増したスローバラードに生まれ変わっています。


5曲目は「disarm dreamer」のカップリングだった「いまの君が遠くても」。


作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:黒須克彦さんの手による逢えない切なさが溢れ出す、まさに美郷あきさんのボーカルで表現するに値するすばらしいスローバラードです。


6曲目はPCゲーム「エターナルファンタジー」グランドエンディングテーマ「あの花の咲く頃に」。


作詞:RUCCAさん、作曲:星和生さん、編曲:小高光太郎さんの手による、美郷あきさんにとって非常に珍しい制作陣による楽曲です。CIRCUSの大作RPGのグランドエンディングに相応しい、アコースティックギターとピアノに絡んでくる音たちが非常にポップで明るい、明日への希望的なミディアムバラードです。クセなく伸びやかに歌い上げる美郷あきさんのボーカルがいい感じでした。


7曲目はTVアニメ「怪物王女」オープニングテーマ「BLOOD QUEEN」。


作詞:畑亜貴さん、作曲:黒須克彦さん、編曲:鈴木マサキさんの手によるイントロのギタフレーズが独特で、とても耳に残る旋律のハードロックナンバーです。通常、アーティストのアルバムとなるとそのアーティストのアーティスト性が優先され、収録曲も当然、一貫性のあるものとなるわけですが、やはりここがA-POPシンガーの面白いところ。オープニングテーマ、エンディングテーマはやはり番組ありきで制作される曲が多く、この曲も怪物王女の持つダークな雰囲気を曲にしたもの。アーティスト「美郷あき」のアルバム、という形だったら聴けなかったかもしれないこのようなまったくベクトルの違う曲が、1つのアルバムに収まっているところがA-POPならではだと思います。


8曲目はPCゲーム「エターナルファンタジー」エウレッタ挿入歌「心に咲く花」。


作詞:RUCCAさん、作曲:酒井陽一さん、編曲:虹音さんによるこの曲、キャラクターエンディングテーマとしてとてもきれいな歌でした。


9曲目はTVドラマ「キューティーハニー THE LIVE」エンディングテーマ「I lost the place」。


作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:黒須克彦さんの手によるとても力強い、ハードスローバラードです。この曲が収録されているアルバムは、今作以外に「キューティーハニー THE LIVE ボーカルアルバム METAMORPHOSES」があるのですが、こちらのアルバム、とりあえず何も考えずにチェックしてみることをオススメします。ちなみに参加アーティストはGRANRODEOさん、遠藤正明さん、奥井雅美さん等々。聴きたくなってきませんか?(笑)


10曲目はPS2ゲーム「D.C.II ~ダ・カーポII~プラスシチュエーション」挿入歌「さよならの向こう側で」。


作詞:ゆうまおさん、作曲:津上潤也さん、編曲:大久保薫さんと、PCゲーム「最終試験くじら」のエンディングテーマであった「モンタージュ」以来の制作陣によるまったりゆったりチューンです。大先生室屋ストリングスさんのストリングスはどうしてこう心に響くのでしょう。


11曲目は「sad rain」のカップリングだった「another life」。


作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:飯塚昌明さんの手による「sad rain」とは対照的なアップテンポナンバーで、さすがギタリストが作った、と思えるフレーズが随所にちりばめられている楽曲です。


12曲目は唯一のアルバムオリジナル曲「here I am」。


作詞:畑亜貴さん、作曲・編曲:齋藤真也さんの手による、アルバムのエンディングに相応しい(笑)かつ美郷あきさんらしいすばらしいナンバーです。「私がここに立つ意味」。今回のアルバムに込められたこの想いのすべてを表すように伸びやかに歌い上げるボーカルに、今後の美郷あきさんにさらなる期待を寄せることのできる安心感を強く感じます。



●そしてワンマンライブ!

収録曲12曲中、11曲がタイアップという、まさにベストと呼ぶべきアルバム、美郷あきさんの節目の1つとなるすばらしいアルバムでした。美郷あきさんの今後のスケジュールですが、まずは10月16日、「東京アジア・ミュージックマーケット ショーケースライブ」への出演が決定しており、公式サイトで観覧受付が始まっております。前回紹介させていただきました歌シェリルことMay'nさんも出演なさいますし、他にも多数気になるアーティストさんが出演されるので、ぜひチェックを。


そして美郷あきさんの3rdワンマンライブが11月23日に恵比寿リキッドルームで開催されますが、その先行予約がなんと、このアルバムに封入されているチラシに記載のURLにて始まっております。9月24日までの受付なので、気になる方は早めにチェックを。


今回はそんな美郷あきさんの3rdベストアルバム「here I am」を紹介させていただきました。アニメロサマーライブの大舞台を乗り越えたA-POPシンガー、美郷あきさんをこれからも大切に聴いていきたいと思う、そんなアルバムでした。皆さまもぜひ、一度手にとって聴いてみてくださいませ。



here I am
アーティスト美郷あき
発売日2008年9月10日
価格3000円
詳細はこちら



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